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序文

沖縄県指定無形文化財伝統音楽野村流保存会会長 宮城嗣幸

 琉歌の読み方、歌の意味を理解するには「琉歌全集」「琉歌大成」など優れた琉歌集があるが、工工四を用いて歌を練習中に即座に容易に歌に用いている琉歌の正しい読み方、明確な意味を知るための読本が望まれていた。
 この度、野村流伝統音楽協会の大城米雄師範が工工四に沿った解説書「沖縄の三線節歌の読み方」を発刊する運びとなりこの上ない喜びである。
 野村安趙、松村真信による「絃楽譜・国風絲楽三線譜」の編集、伊差川世瑞・世礼国男、宮城嗣周の両「声楽譜附工工四」の発刊、そして今回の大城米雄著「沖縄の三線節歌の読み方」発刊で、明治の初年に尚泰王の発案で、歌の変革が将来に来たさないようにとの目的で、国風絲楽三線譜の編集がなされた意図がここに達成され、野村流音楽が安泰になったと思う。
 この本の特徴は目次で節名を調べ、指示されているページを開ければ、その節に用いる工工四に記載されている全歌詞が示され、簡単に即座にそれらの琉歌の読み方、意味を知ることが出来るようになっている。学習の方法は(1)工工四に記載されている歌を確認し、ローマナイズで一音づつ区切って付けられた読みで正しく琉歌が読め、(2)漢字混じりの歌に書き換えられて表記されている琉歌の意味を探ることが出来、(3)ハヤシを伴った実際に歌う通りの仮名で表記されている琉歌で、ローマナイズ表示と比較確認して正しい発音で読むことが出来るようになっている。(4)そして歌詞の意味、語句の意味を開けたページで即座に簡単に調べることが出来るようになっている。(5)その上に、補遺の項があり、その節、歌詞にまつわる諸々の興味深い説明が先達の論を紹介しており、読者の目を引きつける。そして必要に応じて、著者の流麗な文章でコメントが付け加えられ読者の研究意欲を掻き立てる。
 この本で取り上げた琉歌は、工工四上巻の110歌詞、中巻70歌詞、下巻122歌詞、続巻98歌詞、関連する琉歌77歌詞で合計477歌詞である。
 工工四楽譜と併用して学べる便利な辞典的琉歌解説書は稀である。この書を手にする研究者は幸せと思う。自信をもって座右の書とするよう推薦する。

平成15年4月吉日


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